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ブログ - イチロウさんのエントリ

ステージプラス2015年全公演リスト

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2015-12-29 2:57
1/24〜25  ハニイチ「よるがあけたら」  
2/12〜15  Team 2220「KITTY&DOGGY」
2/19〜22  ズッキュン娘「グッバイ、マザー」 
2/25〜28  劇団サニー「みるきーはわかってくれない」
3/5〜8   洒落乙。「ミスターペロペロマン」
3/13〜15  劇団2012「叫ぶ檻」
3/19〜22  ろみお座「傘にうたえば」
4/24〜26  劇団DREAMER「day-dreamer」
5/22〜24  Team Luna「fストーリー」「カルディア戦記」
6/18〜21  星屑企画「輪廻 万華鏡展」
6/26〜28  大人工芸倶楽部「Magician」
8/8〜9   カミナリフラッシュバックスとまの「自己中カルテット」
9/20〜22  Daikichi project「MUGEN」
9/26〜27  東京ガール「誰、さがし?」
10/2〜3   さすがやあうん「名探偵 華麗満秀の態変な一夜」
10/9〜11  Doki☆身内だらけの一人芝居フェス
10/15〜18  山尾企画「After World」
10/24〜25  東京ガール「ゲームの時間」
11/6〜8   箱庭計画「ハコニワタンペンシュウ」
11/21〜23 題名のない演劇会「おい!なんでやねん!」
11/27〜29  劇団ミネット「I say love,it is a flower」
12/4〜6 ふぞろいぞろい「煙たなびけば雨」
12/21〜22  近大附属高校「トゥ」「悪魔のいるクリスマス」

全23公演
昨年末に続き、今年も近大附属高校演劇部にステージプラスをレンタルしていただいた。ありがたい。

前回は劇団ショーマの高橋いさを氏台本「バンクバンレッスン」1本立ての公演だったが、
今回は吉本芸人ロバートのネタ「トゥ」と北村想氏の「悪魔のいるクリスマス」の2本立て公演。

「トゥ」は20分程のコント。大学の入学式にあるサークルが新入生に奇妙な勧誘をしてくるという話。
全員伸び伸びとした演技していた。笑いもとれていた。

「悪魔のいるクリスマス」
クリスマス。
公園のベンチに座り、劇作家が日本語の乱れについて独りごちている。
彼のもとに歌手志望の女子高生や太宰好きの不良少年や天使が現れ、ささやかなパーティーが行われるのだが。。

気難しい劇作家はどうも同戯曲を書いた北村想自身を想起させるが、その役を演じたのは今年高2の女子高生北村さん。
彼女は男役で演じるのではなく、女性に置き換えた設定で演じていたのだが、これが全然違和感がなかった。
抑制の効いた演技は堂々としていた。難しい役を自分のものにしていた。
去年「バンクバンレッスン」で観たときは特に印象が無かったが、これから良い女優になっていくと思う。

脚本は80年代前半に書かれたもので、社会情勢等若干古さを感じたが、テーマ自体は普遍的なもの。
最後のどんでん返しは見事。面白かった。
開場すると同時に、役者たちは既に舞台に立っている。
下手にはカップルが車を運転している様子。
中央では女がちゃぶ台に座り、洗濯したての下着(ババくさいのもあればド派手なものも)をたたんでいる。

ゆるやかに開演。
カップルは彼女の生まれ故郷に帰省の車中であり、
中央の女は入院中の母に届ける荷造りをしていたことが分かる。

地声に近いリアルな発声、
ちょっとした言葉や仕草からその人となりや関係性を浮かび上がらせる演出等、
平田オリザの「静かな演劇」を踏襲したスタイル。

舞台となる「家」。
父は既に他界し、母も入退院を繰り返している。
長女は未婚で母と一緒に実家暮らし。しっかりもの。
次女は都会で結婚。ぼんやりとした性格。
三女は父と同じ煙草の銘柄を吸いながら、都会の服屋で働いている。

三人姉妹が正月休みを利用して実家に帰ってくる。
おせちを食べたり、墓参りをしたり、七並べをしたり。
どこにでもある家族の話、事件らしい事件は起こらない。。
主に次女の夫の眼を通して、妻の実家がフォーカスされる。

巧みな脚本。
各家庭特有のルール、他人の眼から見るとそれは奇異だ。
二人で7並べしているシーンとか、黒豆をスプーンで食べるシーンとか
随所に、クスッと笑かせてくる。

ラスト、夫婦はお互いの価値観の違いを認めあう。
品の良さ。派手さはないが、余韻が残る。
小津安二郎の諸作品を思わせた。

劇団ミネット「I say love,it is a flower」

カテゴリ : 
お知らせ
執筆 : 
イチロウ 2015-12-12 2:47
今回公演の劇団ミネットの主宰ひとみは、女性のみの劇団DREAMERで4回公演。
この春、劇団を解散。新たに劇団ミネットを立ち上げ、今回が旗揚げ公演となる。
今回の公演の主なキャスト8人のうち3人までが男優で、これまでの同性劇団のみの公演にありがちの窮屈さがなくなり、
幅が拡がり、風通しがよくなったように思う。

DREAMER時代は全てオリジナル脚本のみで公演していたが、
今回はイタリアの劇作家アルバート・カゼーラ「明日なき抱擁」を下敷きに。
同脚本は98年にブラッド・ピット主演の映画「ジョーブラックによろしく」のもとになった。

主人公は一代で会社を大きくした宇都宮ランバート輝彦。
最近彼は夢で死神が出てきて、死期が近いと告げられている。
妻に先立たれた彼には二人娘がいる。
娘たちとその夫、従業員たちは、もうすぐ訪れる彼の誕生日パーティーの支度に忙しい。
また、会社では彼の会社を密かに乗っ取ろうと企む部下がいる。
そんな中、夢の中の死神がこっそり彼のもとに現れる。死神は娘ローズに一目惚れしたらしい。。

今回一番良かったのは主人公ランバート輝彦を演じた戸中居亜命氏。今年3月に舞台デビューしたばかりの不惑のお父さん。
貫録の演技。舞台に厚みを持たせた。
死神男役のひとみも難しい役を好演していた。

ラスト、ランバートと先立たれた妻と再会するシーンは鮮やか、ウルッときた。
「題名のない演劇会」は大阪大学の演劇サークル「ちゃうかちゃわん」のOBが集まってできた劇団だ。
最初、劇団名は変だし、チラシのセンスは酷いしで、全然期待してなかったのだが、
観終わってみれば、これがなかなかの作品だった。

M1優勝を目指すお笑い二人組がメジャー街道をばく進して行くというストーリーを基軸に、
友情、恋愛、芸能界の闇が描かれていくのだが、
まるでテンポのよい映画を観てるよう。80分の上演時間はあっと言う間に終わった。
プロジェクターを使ったインパクトのあるOPから、ほろりとさせるラストまで一気呵成に畳み掛ける演出力はまさに剛腕。
無駄なシーン、だれたシーンがほとんどなかったというのはなかなか珍しい。

作演の長佐古哲也は過去M1出演経験があるらしく、舞台設定にリアリティがあった。
最初は下手な劇中の漫才シーンが売れっ子になっていくに従い、上手くなっていくところとか心憎い。

役者はみな芸達者揃い。滑舌悪く聞き取りにくい箇所もあったが、勢いで持って行った。
特に茶髪のボケ役を演じた高橋仁は、躍動感溢れていて印象深かった。

表情豊かな照明も◎。
3ステで終わったのが残念。再演望む!
今回作演の栃木ゆーじは観劇遭遇率の高い役者で、今回は座長で作演。
ずっとメガネをかけた役者のイメージだったので、どんな作品を披露するか興味を持って観た。
20分×3本のオムニバス集。
全て彼が書いたもの。
しかし最近のステージプラスはオムニバスづいてる(秋の公演9本のうち5本が短編集)。

‐年カメラ
カメラマンを目指して故郷の島を飛び出した若者が10年ぶりに家族の元に戻って来る。
彼がカメラを始めたきっかけは同じ高校のクラブに所属するガールフレンドの影響だった。
水平線に沈む夕日を眺めるシーン。情景や匂いまで浮かび上がってきたかのよう。心地よかった。

▲侫ークロア
就活に失敗続きの女子大生が神社で祈願した時に起こった不思議な体験。
「ずっと夕刻の世界」に閉じ込められた彼女は、
そこで出会った鬼のような神様のような偉そうな青年と一緒に出口を探す。
諸星大二郎作品のようなちょっと奇妙な話。
眼鏡のヒロインが可愛い。

L訖Д織シー
女子大生が深夜まで大学に残って卒業論文を執筆している。
彼女は裏門で最近学内で噂になっている不審者に出会い、近くまで自転車で送ってもらう。
彼が裏門で待っていた人物は。。
時空を超えた純愛もの。
祖母役のふろむ、キャラの使い分けがうまい。
自転車二人乗りのシーン、美しかった。


どの話もあっさり風味で観やすかったが、インパクトが若干弱かったかなあ。
前回の「誰、さがし?」に続いてのオムニバス公演。

 屬気しもの」
サラリーマン二人が地図を頼りに子どもの頃に埋めたタイムカプセルを掘ろうとする。
日常がRPGみたいになっていく。ベケット風味。

◆崚弘」
一人芝居、ダブルキャスト(男⇔女)で私が観たのは女性版の方。
ヒマな店舗で27歳の女フリーターと18歳大学生が世間話をするだけの話。
神原真理の演技が時に高圧的、時に間抜けで「こんな女いるよな〜」感がすごくあった。

「避難訓練」
高校のグラウンドで災害時の避難訓練が行われている。
訓練なのか現実なのか分からなくなってくる。ラスト鮮やか。

ぁ嵬楫蘯圈
出だしブルーシートをかけられた死体が一体。
目撃者を探す刑事と容疑者。緊張感のある作品。


ァ嵋問者」
郊外の一軒家に謎の女が訪ねて来て起こる狂気の一夜。
平田真希のミステリアスな演技が素晴らしい。

△鉢イ面白かった。

「前回一歩間違えるとホラー」と書いたが、今回はコメディ色はより後退し、不条理サスペンスものの印象が強かった。
何れもオチが鮮やか。
各話が少しずつリンクしてるところも心憎い。

「キリンの鼻、ゾウの首」は月一短編集を公演していく企画で、ステージプラスでの公演はとりあえず今回まで。
次回は花園町ジャン・トゥトゥクーで行われる。
月一のペースでゆったりと活動する東京ガールのスタンスは中々素敵だ。

山尾企画「アフターワールド」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2015-10-30 1:20
山尾企画は今年5月芸術創造館でサーカスを舞台とした「ワールド」という芝居を打った。
先日10/9〜11「DOKI身内だらけの一人芝居フェス」では
「ワールドビギン」という「ワールド」の前日譚にあたる短編一人芝居をステージプラスで発表。
1週間後の10/16〜18、今度は「ワールド」の後日譚。
「ワールド」の主人公コヨリの10年後を描く。

近未来の大阪。「芸術で食っていくことが不可能になった社会」。
高利貸しから借金をしている孤児院が舞台。
都市再開発を目論む地上げ屋が、借金のかたに同施設を潰そうとしている。
似顔絵を描きながら自転車で旅をしているコヨリが、
当たり屋の少年から金をだまし取られるシーンから物語は始まる。

「ワールド」にあった派手なシーンはほとんどない。
松竹新喜劇もかくやとばかりのベタな人情もの。超具象。
テンポ良い大阪弁が心地よい。

今回の「アフターワールド」難を言えば、「ワールド」を観てないお客さんには分かり辛い箇所があり、
そこがまた物語の核心部分だったりするので、もう少し構成を練るべきと思った。

音響機材は一切使わず、生音ギターのみのBGMは良い雰囲気。
孤児院のおばさん役の桝井美香も上手かった。

身内だらけの一人芝居フェス

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2015-10-21 20:07
約20分の演目の後、10分の休憩。客席はほぼスタンディングというライブハウススタイル。
一回の公演で3演目。
幕間にゆるいトークとかパントマイム、漫才があり、その間は館外へ出るも、飲食するも、電話するも
カウンターでなら喫煙するもオッケー。
主宰の徳丸¥1いわく、
「携帯電話、飲食喫煙等の禁止という≪小劇場公演の掟≫に一石を投じたかった」とのこと。

私が観たのは祝前日の昼と夜だったが、休憩時には場外へのドアが開かれ夜の空気が場内に入り
何とも言えない艶のある濃厚なフェスっぽい空間となった。

〇拡企画「ビギンズワールド」
以前芸術創造館で公演された「ワールド」の前日譚。
終わるとわかってて始める公演を前にする表現者の葛藤。メタ構造。
 
KatsuyaHamamoto×ohana「夢を喰らう男」 
幕間でパントマイムも演じていた浜本克弥の演技が素晴らしかった。華があった。
ジンタのメロディもレトロで◎。 

ワールドオブ雄「或いは/or」
シングルファザーによる子育ての苦闘をパワーマイムで描く。
リュウジ宮本による物凄い熱量の演技。圧倒された。

Litmus「空の先に見えるモノ」
視線恐怖症の引きこもり男性の一人語り。
ラスト、澄み渡った青空のイメージがきれい。  

イ蕕奸トランポリン企画「ウィズミー!クリスマス」
クリスマスに間違い電話の相手は自殺をしようとしていた。
電話越しの説得は成功するか?
脚立に自殺寸前の女に見立てた羊のぬいぐるみ。構図が面白い。テンポ良い

Δ気楽ロジック「ぼくらはみんないきている」
女の生理を感じさせる真っ赤な照明。 
どろどろとした世界観。不穏なダンス。

タイトルにある「身内だらけ」の言葉から、閉鎖的、仲間内的なイメージを抱かせるが、全然そんなことは無くて、結構演劇初心者でも楽しめる内容だったと思う。
粒ぞろいの作品群。良い時間が過ごせた。
東京ガールは結構キャリアのある大阪芸大出身の劇団である。

2009年同劇団の「奥の細道」を一心寺シアターにて観劇した。
↓当時の感想ブログ。
http://stageplus.net/modules/blogplus/details.php?bid=20
あまりに独善的で意味不明の内容だったので、酷評した。

で、今回のステージプラスでの公演。
正直以前みたいな芝居だったらどうしようという気持ちだったが、
蓋を開けてみれば、かなり見やすくなっていた。役者はみな達者。

今回は主に二人芝居のオムニバス、コント公演

全部で7本のコント
 屬覆鵑任笋佑鵝
二人のサラリーマンが「なんでやねん!」について哲学的な問答を繰り返す。
◆岼篏顱
生徒から遺書を受け取った体育教師がとった意外な行動とは。
「素敵な風景」
脱走を試みる3人の男女。目的を尻目に綺麗な風景に見とれる。
ぁ屬△戚勝
友人のあだ名の由来を今さら聞けない。
ァ峪廚そ弌
同棲カップルが過去の記憶を思い出そうとするが、二人とも少しずつ食い違っている。
Α嵬明棔
女性面接官による圧迫面接。
А屮リホル二アシンドローム」
“5-4”の答えだけが分からない患者が、医師から怪しげな治療を受ける。

どの話も面白かったが、特に受けたのはキА
作演の上崎陽介の特異なギャグセンスが光った。
現実との距離がずれ、妄想が変な角度で突き刺さっている。
一歩間違えるとホラー。

現在のお笑いシーンに飽き足らない新しい「笑い」が観たい人は東京ガールを観ると良いと思う。
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