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ブログ - 最新エントリー

かしこしばい「怪獣と居る」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2018-3-4 0:49
かしこしばい 「怪獣と居る」

「かしこしばい」という変わった団体名を持つ劇団の、今回は旗揚げ公演なのだが、かなり面白かった。
どこが面白いのかと聞かれたら説明しづらい、不思議な魅力を持った作品だった。
タイトルの居るを「おる」と読ませることからも分かるように、この芝居は全編柔らかい関西弁で演じられる。

7階建ての団地が舞台。
怪獣と同居する少女を中心に団地に住む住人達が描かれる。
怪獣は顔だけ被り物(目が光る!)で中身はただの気の良いおっさん。

家出少女をペットとして飼っている保険のセールスレディ。
生活能力が一切ない女と暮らす男子大学生。
彼ら6人は「ゴミ捨て場のカラス除けネット」を隣人に渡す団地の規則により出会った。
怪獣は故郷の異星に帰ろうと渡航費を稼ぐ為か、交通整理のバイトで誘導棒を振ったりしている。
少女は怪獣と共に地球から脱出しても良いと考えてる。。

作演の古後七海は北村想が塾長の伊丹創流劇塾の出身。
シュールで惚けた語り口の底には殺伐とした現実を見つめる眼差しがあった。
SNSを介した人間関係、リストカット、共依存、自殺願望。。
六畳一間の団地の一室は一隻の宇宙船となる。
どこにでも行けて、どこにも行けない。
団地サイズの浮遊感
彼女が書く物語は、自己の人生観を全部ぶっこんできたかのような、正直さがあった。

演出はハッとさせられるところはあるが、全体的にバタバタしていたように思う。

主演の山本礼華は不思議な魅力があった。
終演後、彼女がギター片手に「怪獣と居る」の主題歌を歌うとお客さんからは自然と手拍子が鳴っていた。
下記のサイトから主題歌が聞ける↓
https://kasikoshibai.wixsite.com/kasikoshibai

再演望む!

劇団CACTUS「演劇的協奏曲」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2018-2-14 23:53
劇団CACTUS「演劇的協奏曲」

劇団CACTUSは近畿大学演劇部覇王樹座出身のOBが集まってできた劇団だ。
今回の公演は演劇プロジェクトダブルクラブという劇団のなつみ氏が書いた既成台本
「同窓会パニック」とオリジナル脚本の「Dramatic L Philosophy」二本立て。

「同窓会パニック」は高校の同窓会に集まる6人の男女が織りなすドタバタコメディ。
脚本フリーサイト「はりこのトラの穴」に同脚本はアップされていて、
鑑賞後、脚本自体読んだんやけど、それ自体あんまり面白くなかったんやなあ。
もっと他に面白い脚本なんぼでもあると思うんやけど。。

「Dramatic L Philosophy」はオリジナル脚本の青春もの。
吹奏楽部の女子高生がバスケ部の男子高校生に惚れて、告白するのだが。。
ヒロインが周りを振り回すだけ振り回して、感情移入しずらかったのと、
バスケ部の男優は背が高くハンサムでそれっぽいのだが、顔つきが冷たいので、
役柄に合ってないように思えた。

近大系劇団は、最近面白いのが多かったので、期待して観たのだが、私的にはイマイチの公演だった。
次回に期待します。
チラシのデザインは可愛くて〇。

STAGE+PLUS AWARDS 2017

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2018-1-11 15:25
2017年ステージプラスで行われた公演は全16本とここ数年では記録的な少なさ。ヤバい。
ただ、作品のレベルで言えば、2012年、2014年並みの豊作の年だった。
特に秋、gene、IQ22、オセロット企画と3本続けて傑作が続いた時は、興奮で鼻血が出そうになった。

作品賞は第一主義かアオハルか、ギリギリまで迷ったが、
高校生戯曲にあえてチャレンジした演劇企画アオハルに決めた。
本年メイクアップ部門では、あえて特筆すべき団体が無かったので、
旗揚げ公演賞を今回初めて設け、劇団フワ子の「SHOW毒」を選出した。

以下、作品賞、演出賞、脚本賞の上演時の感想
演劇企画アオハル「K」
http://stageplus.net/modules/blogplus/details.php?bid=290
劇団第一主義「愛と勇気だけが友達」
http://stageplus.net/modules/blogplus/details.php?bid=279
オリゴ党「あと8kg」
http://stageplus.net/modules/blogplus/details.php?bid=281


作品賞 演劇企画アオハル「K」

演出賞 劇団第一主義 「愛と勇気だけが友達」

脚本賞 オリゴ党 「あと8kg」

舞台美術賞 gene 「正午の伝説」

照明賞 オセロット企画 「こんな星抜け出すのさ」

音響賞 劇団第一主義 「愛と勇気だけが友達」

衣装賞 gene 「正午の伝説」

ベストチラシ賞 劇団アシデマトイ「Book!Book!Book!」

オムニバス公演賞 GABU 「いちじく、或いはザクロ」

旗揚げ公演賞 劇団フワ子 「SHOW毒」

主演男優賞 下原裕治 「こんな星抜け出すのさ」

主演女優賞 花森美紀 「FM392」

助演男優賞 木下聖浩 「愛と勇気だけが友達」

助演女優賞 あまのあきこ 「あと8kg」


2007年にオープンしたステージプラスも昨年10周年を迎え、アワードも始めて5年経ちました。
2018年はステージプラス内ギャラリー「白の間」オープンも控え、
次の10年に向けて精進していきますので、皆様のご支援、よろしくお願い致します。

ステージプラス2017年全公演リスト

カテゴリ : 
お知らせ
執筆 : 
イチロウ 2018-1-10 14:37
ステージプラス2017年全公演リスト
1/13〜15 劇団アシデマトイ「Book!Book!Book!」
2/3〜5 GABU「いちじく、或いはザクロ。」
2/6〜12 劇団第一主義「愛と勇気だけが友達」
3/26 劇団夢幻「タイムリカバリー」
4/1〜2 劇団フワ子「SHOW毒」
4/7〜9 オリゴ党「あと8kg」
4/21〜23 演劇集団ゆらめき「ゆがんだ小屋」
6/20〜21 つまようじとみりんときりん「わneるoom」
6/22〜25 しろねこ座「ねこの缶づめ」
8/10〜12 ポスト加糖「しまうまの毛」
10/12〜14 gene「正午の伝説」
10/28〜29 IQ22「FM392」
11/23〜25 オセロット企画「こんな星抜け出すのさ」
12/1〜3 劇団伽藍堂「結婚申込」
12/15〜17 LITMUS「曲がれ!スプーン」
12/21〜24 演劇企画アオハル「K」

全16公演

演劇企画アオハル「K」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2018-1-8 23:39
演劇企画アオハル「K」

演劇企画アオハルは大阪大学の劇団六風館がメインに企画された団体だ。
彼らは高校演劇の優秀な戯曲を中心に上演していくという。
なぜ大学生から見ると青臭く、未熟に見えがちな高校演劇に注目するのか、
以下、演出家佐藤泉による当日パンフの言葉より

「そしてみんな舞台上で自分のことを、悩みやなんかを話します。(中略)
その舞台上には圧倒的な時事性と当事者性が存在します。
だから、私は高校演劇がもっとも上演する意味のある演劇ジャンルではないかなんて思ったりします。
演者にとっては自らの発露であり、自己表現の場です。
そこでは自分の特殊性やコンプレックスこそが武器になります。」

今回上演された「K」の脚本だが、
2013年、長野県丸子修学館高校演劇部が全国高校演劇大会への出品作品として、
同校の女子高校生が書いたもので、同年の文化庁長官賞(優秀賞)を受賞作。

高校演劇のテーマと言えば、友情もの、家族ものといった身近なテーマ、
又はゲーム世代に馴染み深いファンタジーといったところが多いのだが、
同戯曲は20世紀初頭の小説家カフカに纏わる不条理劇だ。

カフカの代表作「審判」「虫」「城」の3編と売れない小説家カフカ自身の人生譚
(父へのコンプレックス、作品執筆のプレッシャー 結核等)
が交互にテンポよく描かれる。

カフカの諸作品自体、不条理で悪夢めいているのだが、
大胆な解釈でポップに、残酷に、美しい祝祭空間の中
12人の役者は力いっぱい演じていた。

全ての登場人物とカフカと出演者自身の生の叫びがシンクロするシーンはひたすら美しかった。
恐るべき子供たちによる作品。面白かったです。

Litmus「曲がれ!スプーン」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2017-12-28 1:13
「曲がれ!スプーン」はヨーロッパ企画の代表、上田誠氏が2002年執筆。
「冬のユリゲラー」の名前で初演された。
2009年には長澤まさみ主演で映画化もされた。
21世紀に入ってから書かれた演劇脚本の中ではかなり有名な作品。
私も今回の公演前にすでに同脚本は読んでいた。

物語はエスパーに憧れるマスターが経営する「カフェ・ド・念力」が舞台。
その名前に惹かれてそこはエスパーたちのたまり場となっている。
(エスパーといっても、普通の大学生ノリの兄ちゃん達)。
クリスマスのある日、新入りのエスパーの歓迎を兼ねたクリスマスパーティーが開かれる。
彼らが自己紹介がてらに超能力の実演(念動力、テレパシー、透視等)をしているところに、
「自称」超能力者と彼を取材するべくテレビ局の若い女性ADが来店してきたところでややこしい事態が発生する。。

前半の超能力の実演のくだりは面白かったのだが、後半、女性ADが出てからがやや退屈だった。
本物のエスパー、自称エスパー、女性ADの駆け引きのくだりが、この戯曲の肝なのだが、ここが淡泊だった。
うまく言えないのだが、外面と同時に内面のテンションをキープするというか。
テンポは悪くなかったが、観客に考える隙を与えてしまった。

マスター役を演じたばとらは良かった。

舞台周囲には白い不敷布が敷かれ、繭のようにも、渦のようにも見える。
素材的に灯の当て方によって様々な貌をみせる。

中央にはちゃぶ台にティッシュ、ゴミ箱。 
抽象さと具象さが一見アンバランスだが、妙に美しい。

舞台構成はほぼ3幕、45分の短編。室内劇。
登場人物は若い夫婦と妻の浮気相手の3人のみ。ミニマム。
時代設定は現代のようでもあるし、まだ日本が貧しかった70年代のようでもある
(物語内では軍事大国ソ連が健在)。
室外では11月の季節外れの台風が来ているようで、終始雨音が聞こえる。

3人の俳優がそれぞれ良い。

新婚妻は、つわりが酷い様子。
唇のかさぶたを剥がすのが癖。
ゴミ箱には彼女が血を拭いたティッシュがいっぱい入っている。
(こういう皮膚感覚に訴えかける演出が随所に見受けられる) 

旦那は飯を食べる時に一口ごとに匂いを嗅ぎ、ぺちゃくちゃ音をたてて食べる
(実際に舞台で本物の親子丼を食べる)。
職場で浮いてるようだ。

妻は旦那に秘密の浮気相手がいる。
男は万引きの名人で革命国家樹立を夢見ている。
女とは元同士みたいな関係。

とぼけた笑える箇所はあるものの、終始緊張感がヒリヒリと漂う舞台。観客の想像力を刺激する。
物語は何も始まらないし、何の決着もない。
万人受けではないが、私は面白く観た。
 
特筆すべきは、難しい役を演じた浮気相手役の下原祐治。
昔風の男前でクセが強い、人情味薄そうでミステリアス、若い頃の中尾彬を見てるようだった。

IQ22 「FM392」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2017-11-9 0:51
IQ22「FM392」

IQ22は大阪芸大舞台芸術学科の学生が中心となって出来た劇団で、今回が旗揚げ公演である。
旗揚げの公演で正直あまり期待していなかったのだが、これがなかなか面白かった。

「ロボット打ちこわし法」が制定され、地球上にあるロボット全てが宇宙に廃棄されてから1000年後の世界。
どことも知れない宇宙の彼方では、392号「ミクニ」と445号「ヨシコ」の
2体のロボットだけが辛うじて意識を保っている。

地球は現代の世界とあまり変わらない。
科学者の父を持つ内気な女子高性アンコは、同級生からいじめを受けている。
父は過去に事故で亡くした妻のロボットを作ろうとしているがうまくいかない。
ある日アンコはふとしたことから不思議な小箱(パーソナルキューブ)を手に入れる。
その小箱からは、発信地が良くわからないFM放送が聞こえてくる。
小箱を通してミクニの物語とアンコの物語はリンクし始める。。

いたってシンプルな舞台。
板の上には脚立にツリーライトを巻いたオブジェが一つ置いてあるだけ。
脚立の上を宇宙空間、脚立下を地球に見立てたところやアンサンブルの処理等、
大芸らしいポップな演出が光った。 
ラスト近くでは、客席からはすすり泣きの音が聞こえていた。
脚本いのうえあかねの女性らしいヒューマンな脚本も◎。
とにかくなかなか掘り出し物の作品だった。

gene「正午の伝説」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2017-10-25 20:16
geneは近畿大学舞台芸術専攻の学生たちにより結成された劇団で今回が旗揚公演である。
脚本は不条理劇の第一人者、別役実が73年に書いたもの。75年初演。
結論から先に言うと、今回の公演はアングラ演劇好きの私にとって非常に面白かった。

舞台は三幕構成になっている。
全体が真っ白の舞台、中央に赤い掛け時計が掛けられていて、日の丸のように見える。


一幕目。
何か探し物をしてるらしい不機嫌な女(雨でもないのに傘をさしている)と
段ボール箱を持ち歩いてる男が登場する。
男のナンパしたい下心と、分別ある男として振舞いたい、その狭間で行き来する様が正直イライラする。
最後にちょっとした事件が起こる。

二幕目。
元戦友らしい二人の傷痍軍人が道端で座り込んでいる。一人の男は三味線で「君が代」を弾き歌う。
もう一人の男は腹を押さえて苦しんでいる。どうやら「うんこ」を我慢しているようだ。
三味線男はさっさと済ませてこいというが、相方は拒否する。
うんこを我慢することで、「あの日より日々許され続ける」敗戦の責任と懺悔の気持ちをわが身で体現しようとする。
二人の会話は、どこまでも平行線をたどる。

三幕目
一幕目の男女が先ほどの続きの芝居をしているところに二幕目の二人が現れ、事態は異様な展開を見せる。。
ほぼ無音で行われた芝居は、最後ジェット音と共に唐突に終演する。

イデオロギー 政治的な深読みはいくらでもできる。
平成生まれの現代の学生が、どんなきっかけで今回の戯曲をやろうと思ったのか謎だ。
久しく忘れていた「時代を撃つ」精神を今回の公演で思い出した。
「演劇」は危険なものでもあったのだ。

ポスト加糖「しまうまの毛」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2017-8-25 19:18
劇団ポスト加糖は四天王寺女子高校のOGが中心となって結成された劇団である。
同高校は大阪でも有数の進学校で、校則が厳しいことで有名だ。
近所なので登下校の彼女たちの姿をよく見かけるのだが、
学校の方針なのか、いつもカバンをパンパンにして教科書やらなにやらを詰め込んで、
頑張って背負って歩いているのが印象的だ。
一度、バーに飲みに来られた先生に尋ねたところ、テキスト類のロッカー保管は禁止しているとのこと。
重い辞書も習字道具も全て毎回持ち帰り。
知力と同時に腕力も鍛えられるんですと自嘲気味にあるOGは言ってた。

今回上演された「しまうまの毛」は突劇金魚主宰のサリングロックが書いたもの。
思春期の女子ばかりが寄宿している「屋上から動物園が見える」学舎が舞台だ。
設定が今回の公演劇団の学生生活に自然とオーバーラップする。
主宰の金子葵がこの脚本を選んだのは必然だ。

物語は7人の少女たちが居住する宿舎に一人の青年が迷い込むことでスタートする。
そこは全寮制高校の女子寮にも、なにかの更生施設に見える。
(その辺の設定は台本上で、多分意図的にぼやかしている)
少女たちはそれぞれ闇を抱えている。
リスカ、買春、同性愛、近親相姦、共依存。
彼女たちはこの「檻」から出ることができるのか。

茅子役の西香菜絵は存在感があって良かった。
舞台転換がバタバタしていて、間延びした感じがあった。

本公演は「旗揚げ兼解散公演」と銘打たれていた。
旗揚げにしては出来が良かったと思う。 
打上中に解散について尋ねたところ、すでに心は次の公演の方に向かっているみたいで、
どうやら解散は撤回してくれそうでホッとした。
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