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めかとりーちゃ「モノ*クロ」

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レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2019-5-10 0:51
めかとりーちゃは長崎夢香と久咲カスミの女性2人が結成したプロジェクトで、
今回の公演が旗揚げだ。
30分の短編2本、両作品とも女性っぽいタッチで中々面白かった。

〈おれたちの小さな世界〉
作:長崎夢香
演出:辻まこと

持ち主が不在で、長期間開けていない冷蔵庫の中での
なすび(男)、キュウリ(男)、アスパラガス(女)、トマト(女)の
ドロドロの人間(野菜)関係が描かれる。
糸こんにゃくのくだりが可笑しかった。
客席の笑いとれてた◎。

〈sleeping cutie〉
作:久咲カスミ
演出:エダ一意

眠ると何年も目覚めない不老不死の少女と、彼女を見守る世話係の世代を超えた物語。
映画館のシーン、大気汚染下での夕陽のシーンが美しかった。
廃墟に佇むラストは切なく不思議と心に残る。

猟奇的ピンク「問う、今日」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2019-5-3 21:54
劇場主という職業柄、東京へ出ていく人間をいっぱい見てる。
「大阪では演劇が出来ない」と言い放って上京する人間は山ほど見た。
大阪で舞台俳優は出来ないのか?
よくそんなことを考え、なんとかできないものか悩む。
猟奇的ピンク、ステージプラスでは昨年の「be myself」に続いて2回目。
今回のタイトルはその名も「問う、今日」。
「東京」を今日、問う、刺激的なタイトルだ。 

今回の公演は短編の詰め合わせのような特殊なスタイルで、
´↓い「問う、今日」という鶴山聖作演の主軸短編の間に
ァ峙△辰討んなよ、絶対」Α峺電B」А岷悄▲▲襯丱ぅ函△修靴謄シャレ」が
挿入されるのが「東」版
─崛位襦廰「潮」「くるま」が挿入されるのが「京」版である。
私が観たのは千秋楽の「東」版である。

前回に引き続き、ポップでテンポの良い構成は流石だが、
今回は東京に対する愛憎や痛痒が感じられて、切なかった。
通底するテーマは重い。

講談社主宰の『ミスiD』出身のアイドル4人を使ったフライヤーを4種類製作したりと、
プロモーションも意欲的。

20年前東京から夢破れて帰ってきたこの私は 現在大阪の僻地あべので小劇場を営んでいる。
東京には絶対存在し得ない小演劇人の夢の聖地をここに造ること、
それが私のせめてものリベンジだ。

劇団大阪「人の気も知らないで」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2019-4-19 23:30
大阪の演劇ユニットiakuの横山拓也氏による既成台本なのだが、
この脚本がまず、素晴らしかった。

素舞台にテーブルが置いてあるだけ。
舞台照明は一切なし。作業灯のみ。
小さな広告代理店に勤める同僚のOLが待ち合わせの喫茶店に集まるところからスタート。
音は喫茶店のBGMが小さくなっているのみ。

彼女たち3人は結婚式の余興の打合せで集まっているのだが、
同僚が交通事故で大変な目にあっていたり、
花粉症が酷くて悩んでいたり、
若い男と付き合い始めたり、
それぞれがそれぞれの幸福や不幸を抱えている。
そういったことが台詞の端々から垣間見える。
彼女たち自身の問題だけでなく、そこにはいない台詞の中にしか出てこない人物まで、
生き生きと浮かび上がって来る。
最後にはそれまでの伏線が綺麗に回収されて幕がとじる。

台本の良さもあるのだが、3人のOLを演じた女優が実に上手かった。
シンプルな舞台で派手さはないが、スリリングでぐいぐい引き込まれた。
名人芸のよう。

冒頭、白い仮面を被った4人の男女、中央に1人白いワンピースを着た少女が佇んでいる。
過去、災害があり、たくさんの人々が亡くなった海浜公園が舞台。
やはり東日本大震災をイメージしてしまう。
仮面を被った男女はいずれも災害で亡くなった者たちで、現世に激しい未練をもっている。
彼らは一人ひとりモノローグを語っていく。。

役者は緩慢な動き、音響、照明もほとんどない。
マスクを被っているので表情も読めない。
演出はもちろん能を意識している。

1時間弱の抽象的な会話劇が終わり、
重い話で観客がみな沈んでる中、本編とは何の関係もない、
先程のワンピースの少女(Mifuyuという女性シンガー)のアイドル風ミニライブが始まる。 
うって変わって照明はカラフルに、客を盛り上げるスタイル。
ギャップが激しすぎて、疑問符がグルグル回ったので、終演後演出に尋ねたところ、
全て計算ずく、観客の予定調和を裏切りたかったとのこと。

思えば「浪漫ヲ謳エ」とう時代錯誤的なタイトルをつけたところから、
彼らの確信犯的な挑発は始まっていたのだ。

初日では終始つけていたマスクを落ステではラスト近く外す等と、
演出意図自体が変わって来るアドリブを入れたり、かなり挑戦的なことをする団体だ。
面白い。

劇団ミネット番外公演「春雷」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2019-4-14 1:05
2015年に当ステージプラスで旗揚げした劇団ミネットは今回で番外編も入れて計10回目の公演になる。

今回の公演は、お馴染みのミネットのメンバーに加えて、
劇団サンリズムの秀麿、
元関奈月の佐倉ハルキ、舞嶽44景「火蜜」に出演した滝澤仁吾、
Litmus「曲がれ!スプーン」の勇人ユウジ
ルービック♢キューブからザイマン、まお、はまつち等
ステージプラスに馴染みのある役者が多数客演していて、
当小屋が縁となって人脈の広がりの一助となっているなら、とてもありがたいことだ。

公演は2部構成になっている。
1部〈春〉は脚本 七兎璃緒、演出 ひとみ
2部〈雷〉脚本 ひとみ、演出 七兎璃緒
となっているが、両編は世界は違うが、繋がっている。

1部「春」はザイマンを除いてキャストは全て女性。
ある村では盛大な春の祭りが行われていて、少女はそこで「春の女神」に選ばれる。
花の妖精たちによる宴が行われる中、「神に呪われた機械人形」が登場する。。
春の精6人は、各々6色のロリータファッションに身を包み舞い踊りふざけ合う。
「春」は2部「雷」への導入部的な短編。

うって変わって2部「雷」はひとみ以外全員男の作品。
「村」では古の掟により、女は追放される。
ある日、行き倒れの少年(男装した女)を村人が介抱したことにより、村は変容していく。。

前回ミネットによる「夢幻泡影」は傑作だったので、かなり期待して観たんやけど。
今回の芝居はかなりBL要素が高いです。
私は割と男にしてはBL楽しめる方なんやけど。。
好き嫌い別れる作品だったと思う。

役者達のアドリブギャグは楽しかった。
ラストシーンの構図は息をのむ美しさ。
ザイマン氏の存在感には圧倒された。

ハタチの演劇プロジェクトはその名の通り、「ハタチの」若者たちだけで結成された劇団だ。

当日パンフには、
ーこれは“ハタチ”の物語
心に青痣を隠す僕らが、それでも生きていくための物語ー
と書かれていた。
今回の作品は、ど真ん中ストレートの青春ものだ。

物語は高校最後の文化祭でクラス対抗の演劇大会で出し物を決める学級会議から始まる。
同級生4人の男女を中心に物語は進んでいく。

「ノリが第一」の相澤華、「勝ち負けが判断基準」の桑原あずさ、
「斜に構えるのがカッコいいと思ってる」鈴木晴翔 、「自分に否定的」な小森悠生。

4人は文化祭、卒業式、成人式での再会を経ながら、少しずつ「大人」になっていく。。
どこにでもありそう、誰にでもありそうな綺麗ごとでない青春群像劇。

代表の仲保君に聞いたところ、彼が実際に高校時代に体験したことをもとに脚本を書いたとのこと。
少し年月を重ねてから書くならともかく、
当時から日も浅いハタチの彼が、生々しい近過去を直視し客観して書くのはある意味勇気がいることだ。

ハタチからの熱い、甘酸っぱいメッセージ。
ラストの花火のシーンは、50代の私にも胸に深々と突き刺さった。

STAGE+PLUS AWARDS 2018

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2019-1-5 1:45
2018年ステージプラスで公演された作品は全19本。
今年も粒よりの作品が集まったが、特に目立ったのが女性座長劇団の活躍だ。
かしこしばい、劇団ほしねこ、劇団洒落乙。、劇団絶対少女領域、劇団ミネット。。
いずれも個性豊かな素晴らしい作品を上演した。

特に印象深かったのが、かしこしばいによる「怪獣と居る」。
未熟さはあるが、圧倒的なオリジナリティ、スケールの大きさ、何よりも正直さ。
悩んだ末、作品賞に選出することにした。

次に印象深かったのが、劇団ほしねこによる「嘘つきたちの八月」。
旗揚げとはとても思えない、役者力、演出、脚本、スタッフワーク全てが高レベルの公演だった。

「演劇公演という枠からの逸脱」を企てているように思える洒落乙。にはあえて特別賞が相応しい気がした。


作品賞  かしこしばい「怪獣と居る」

演出賞  猟奇的ピンク「be myself」

脚本賞  舞嶽44景project「火蜜」

舞台美術賞  第2劇場「猿の衛星」  

照明賞  劇団ほしねこ「嘘つきたちの八月」

音響賞  劇団絶対少女領域「神様がいないから」

衣装賞  劇団ほしねこ「嘘つきたちの八月」 

メイクアップ賞 劇団ミネット「巡り唄」

ベストチラシ賞 劇団ほしねこ「嘘つきたちの八月」

特別賞 劇団洒落乙。「レズ極道 ボイタチ組組長殺害事件 激録」  

主演男優賞  サカリ「巡り唄」

主演女優賞  山本礼華「かしこしばい」

助演男優賞  たーじー「三つ巴で馬鹿やろう」

助演女優賞  八重樫りん「夢幻泡影」「レズ極道 ボイタチ組組長殺害事件 激録」  


今年こそ2階ギャラリー「白の間」を完成させ、1階ステージプラス共々、
関西のクリエイティブシーンを盛り上げていくべく邁進して参ります!

ステージプラス2018年全公演リスト

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2019-1-4 20:13
2/3 劇団CACTUS「演劇的協奏曲」
2/17〜18 かしこしばい「怪獣と居る」
2/23〜25 舞嶽44景project「火蜜」
6/16〜17 演劇ユニットDiorama「preserved summer」
7/15 劇団ミネット「夢幻泡影」
7/21〜22 劇団乱れ桜「Conte Labo」
8/12 劇団アシデマトイ「りぴーと」
8/16〜18 劇団ほしねこ「嘘つきたちの八月」
8/25〜26 猟奇的ピンク「be myself」
9/1〜2 たまごのカンづめ!「良い月」
9/8〜9 劇団洒落乙。「レズ極道 ボイタチ組組長殺害事件」
9/29〜30 劇団絶対少女領域「神様がいないから」
10/19〜21 第2劇場「猿の衛星」
11/10〜11 劇団ルービックキューブ
11/17〜18 劇役ユニットサンリズム「emotion」
11/24〜25 Geek Factory「稲瀬遺失物相談所へようこそ〜落とし物相談所の七日間」
12/1〜2 うましかやろう「三つ巴で馬鹿やろう」
12/7〜9 スターダスト日本「聖夜物語」
12/15〜16 劇団ミネット「巡り唄」

全19回

【その他イベント企画】
4/6〜7 宇宙ビール「JOHN LENNON Live」
4/21〜22    役者でない「One Man」
毎月1回全7回 キイロイコボネ企画

劇団ミネット「巡り唄」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2018-12-31 21:58
今年7月に4人による一人芝居のオムニバス「夢幻泡影」を上演したミネット。
今回は総勢11人と大所帯。
旗揚げメンバーであるひとみと八重樫りんは今回出演していない。

神代の時代、村には天候を支配する龍神ギンが下男ツカイと共に沼に住んでいた。
そこに村で「忌み児」と迫害を受けている精薄のハクが迷い込む。
ギンはハクを気に入るのだが、人間と神の恋愛は許されない。
ある日、悲劇が村を襲う。

ギンとハクの因縁が、
々掌融代頃の山間部、巫女静を攫う山賊八郎の物語
⊂赦造辰櫃ぞ学校での陽太と雪音の物語
Lね茲僚子高での海と音々の物語
に影を落とす。
後の世代の彼らは因縁にどう立ち向かうのか?

「巡り唄」のタイトル通り、4つの輪廻を「唄」が繋ぐ、壮大なラブストーリー。

役者全員良かったが、中でも、精薄の村娘ハクを演じた七兎璃緒の危うい色気、
龍神ギンを演じたサカリの静かな威厳は特筆もの。

和テイストのメイク、衣装も素晴らしい。

巡り巡ったラストの1シーンにはホロリとした。
今年を締めくくるにふさわしい良い作品だった。

うましかやろうは以前ステージプラスのプロデュース公演にも参加した我が劇場お馴染みの団体で、
今回は3本のオムニバス公演。
3作品は主宰メンバー日高、牛島、高橋3人がそれぞれが作演した30分の短編。
各作品とも時間の割にボリュームがあり、長編でもいける気がした。
3本とも毛色の違う作品で楽しめた。共通するお題は「愛」。

 FAMILIAR」
遺品整理業を営んでる主人公の職場に、かつて離婚した時は子供だったが娘が13年ぶりに訪ねてくる。
娘曰く妻は男と別れた後、苦労の末亡くなったらしい。
どうも父親に遺品整理を頼みたいようだ。
主人公が過去妻子を捨てた理由にもう少し掘り下げたら、もっと感情移入できたかも。
ゴミ袋を使ったダンスのアイデア秀逸。

◆屮罐瓩療喘罅
喫茶トロイメライマスターには高校生の弟がいて、お隣さんの女子高生は弟の同級生。
彼女は過去、交通事故で両親を亡くしていて、店主は兄弟のように可愛がっている。
彼女は自分のせいで両親が死んでしまったのではないかと自責の念を抱いている。
ある雪の降りしきる日、トロイメライに記憶喪失の女が入店して来る。
クリスマス近いこの季節らしいロマンチックなお話。

「押忍!座敷わらし」
ある日、舞台俳優を目指す主人公が目を覚ますと、見知らぬ少女が部屋にいた。
彼女は自らを「座敷あらし」と言い、
自分は部屋を散らかすのと、部屋に置いておくと家主の願いが叶えることができる妖怪だと告げる。
彼女の姿は主人公にしか見えない。
劇団を巻き込んでの大ドタバタ劇。
元劇団員で除霊師の右参空崔(うさんくうさい)の登場シーンには爆笑した。

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