ブログ - 201712のエントリ
「曲がれ!スプーン」はヨーロッパ企画の代表、上田誠氏が2002年執筆。
「冬のユリゲラー」の名前で初演された。
2009年には長澤まさみ主演で映画化もされた。
21世紀に入ってから書かれた演劇脚本の中ではかなり有名な作品。
私も今回の公演前にすでに同脚本は読んでいた。
物語はエスパーに憧れるマスターが経営する「カフェ・ド・念力」が舞台。
その名前に惹かれてそこはエスパーたちのたまり場となっている。
(エスパーといっても、普通の大学生ノリの兄ちゃん達)。
クリスマスのある日、新入りのエスパーの歓迎を兼ねたクリスマスパーティーが開かれる。
彼らが自己紹介がてらに超能力の実演(念動力、テレパシー、透視等)をしているところに、
「自称」超能力者と彼を取材するべくテレビ局の若い女性ADが来店してきたところでややこしい事態が発生する。。
前半の超能力の実演のくだりは面白かったのだが、後半、女性ADが出てからがやや退屈だった。
本物のエスパー、自称エスパー、女性ADの駆け引きのくだりが、この戯曲の肝なのだが、ここが淡泊だった。
うまく言えないのだが、外面と同時に内面のテンションをキープするというか。
テンポは悪くなかったが、観客に考える隙を与えてしまった。
マスター役を演じたばとらは良かった。
「冬のユリゲラー」の名前で初演された。
2009年には長澤まさみ主演で映画化もされた。
21世紀に入ってから書かれた演劇脚本の中ではかなり有名な作品。
私も今回の公演前にすでに同脚本は読んでいた。
物語はエスパーに憧れるマスターが経営する「カフェ・ド・念力」が舞台。
その名前に惹かれてそこはエスパーたちのたまり場となっている。
(エスパーといっても、普通の大学生ノリの兄ちゃん達)。
クリスマスのある日、新入りのエスパーの歓迎を兼ねたクリスマスパーティーが開かれる。
彼らが自己紹介がてらに超能力の実演(念動力、テレパシー、透視等)をしているところに、
「自称」超能力者と彼を取材するべくテレビ局の若い女性ADが来店してきたところでややこしい事態が発生する。。
前半の超能力の実演のくだりは面白かったのだが、後半、女性ADが出てからがやや退屈だった。
本物のエスパー、自称エスパー、女性ADの駆け引きのくだりが、この戯曲の肝なのだが、ここが淡泊だった。
うまく言えないのだが、外面と同時に内面のテンションをキープするというか。
テンポは悪くなかったが、観客に考える隙を与えてしまった。
マスター役を演じたばとらは良かった。

舞台周囲には白い不敷布が敷かれ、繭のようにも、渦のようにも見える。
素材的に灯の当て方によって様々な貌をみせる。
中央にはちゃぶ台にティッシュ、ゴミ箱。
抽象さと具象さが一見アンバランスだが、妙に美しい。
舞台構成はほぼ3幕、45分の短編。室内劇。
登場人物は若い夫婦と妻の浮気相手の3人のみ。ミニマム。
時代設定は現代のようでもあるし、まだ日本が貧しかった70年代のようでもある
(物語内では軍事大国ソ連が健在)。
室外では11月の季節外れの台風が来ているようで、終始雨音が聞こえる。
3人の俳優がそれぞれ良い。
新婚妻は、つわりが酷い様子。
唇のかさぶたを剥がすのが癖。
ゴミ箱には彼女が血を拭いたティッシュがいっぱい入っている。
(こういう皮膚感覚に訴えかける演出が随所に見受けられる)
旦那は飯を食べる時に一口ごとに匂いを嗅ぎ、ぺちゃくちゃ音をたてて食べる
(実際に舞台で本物の親子丼を食べる)。
職場で浮いてるようだ。
妻は旦那に秘密の浮気相手がいる。
男は万引きの名人で革命国家樹立を夢見ている。
女とは元同士みたいな関係。
とぼけた笑える箇所はあるものの、終始緊張感がヒリヒリと漂う舞台。観客の想像力を刺激する。
物語は何も始まらないし、何の決着もない。
万人受けではないが、私は面白く観た。
特筆すべきは、難しい役を演じた浮気相手役の下原祐治。
昔風の男前でクセが強い、人情味薄そうでミステリアス、若い頃の中尾彬を見てるようだった。
素材的に灯の当て方によって様々な貌をみせる。
中央にはちゃぶ台にティッシュ、ゴミ箱。
抽象さと具象さが一見アンバランスだが、妙に美しい。
舞台構成はほぼ3幕、45分の短編。室内劇。
登場人物は若い夫婦と妻の浮気相手の3人のみ。ミニマム。
時代設定は現代のようでもあるし、まだ日本が貧しかった70年代のようでもある
(物語内では軍事大国ソ連が健在)。
室外では11月の季節外れの台風が来ているようで、終始雨音が聞こえる。
3人の俳優がそれぞれ良い。
新婚妻は、つわりが酷い様子。
唇のかさぶたを剥がすのが癖。
ゴミ箱には彼女が血を拭いたティッシュがいっぱい入っている。
(こういう皮膚感覚に訴えかける演出が随所に見受けられる)
旦那は飯を食べる時に一口ごとに匂いを嗅ぎ、ぺちゃくちゃ音をたてて食べる
(実際に舞台で本物の親子丼を食べる)。
職場で浮いてるようだ。
妻は旦那に秘密の浮気相手がいる。
男は万引きの名人で革命国家樹立を夢見ている。
女とは元同士みたいな関係。
とぼけた笑える箇所はあるものの、終始緊張感がヒリヒリと漂う舞台。観客の想像力を刺激する。
物語は何も始まらないし、何の決着もない。
万人受けではないが、私は面白く観た。
特筆すべきは、難しい役を演じた浮気相手役の下原祐治。
昔風の男前でクセが強い、人情味薄そうでミステリアス、若い頃の中尾彬を見てるようだった。
