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ブログ - 演劇カテゴリのエントリ

STAGE+PLUS AWARDS 2018

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2019-1-5 1:45
2018年ステージプラスで公演された作品は全19本。
今年も粒よりの作品が集まったが、特に目立ったのが女性座長劇団の活躍だ。
かしこしばい、劇団ほしねこ、劇団洒落乙。、劇団絶対少女領域、劇団ミネット。。
いずれも個性豊かな素晴らしい作品を上演した。

特に印象深かったのが、かしこしばいによる「怪獣と居る」。
未熟さはあるが、圧倒的なオリジナリティ、スケールの大きさ、何よりも正直さ。
悩んだ末、作品賞に選出することにした。

次に印象深かったのが、劇団ほしねこによる「嘘つきたちの八月」。
旗揚げとはとても思えない、役者力、演出、脚本、スタッフワーク全てが高レベルの公演だった。

「演劇公演という枠からの逸脱」を企てているように思える洒落乙。にはあえて特別賞が相応しい気がした。


作品賞  かしこしばい「怪獣と居る」

演出賞  猟奇的ピンク「be myself」

脚本賞  舞嶽44景project「火蜜」

舞台美術賞  第2劇場「猿の衛星」  

照明賞  劇団ほしねこ「嘘つきたちの八月」

音響賞  劇団絶対少女領域「神様がいないから」

衣装賞  劇団ほしねこ「嘘つきたちの八月」 

メイクアップ賞 劇団ミネット「巡り唄」

ベストチラシ賞 劇団ほしねこ「嘘つきたちの八月」

特別賞 劇団洒落乙。「レズ極道 ボイタチ組組長殺害事件 激録」  

主演男優賞  サカリ「巡り唄」

主演女優賞  山本礼華「かしこしばい」

助演男優賞  たーじー「三つ巴で馬鹿やろう」

助演女優賞  八重樫りん「夢幻泡影」「レズ極道 ボイタチ組組長殺害事件 激録」  


今年こそ2階ギャラリー「白の間」を完成させ、1階ステージプラス共々、
関西のクリエイティブシーンを盛り上げていくべく邁進して参ります!

ステージプラス2018年全公演リスト

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レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2019-1-4 20:13
2/3 劇団CACTUS「演劇的協奏曲」
2/17〜18 かしこしばい「怪獣と居る」
2/23〜25 舞嶽44景project「火蜜」
6/16〜17 演劇ユニットDiorama「preserved summer」
7/15 劇団ミネット「夢幻泡影」
7/21〜22 劇団乱れ桜「Conte Labo」
8/12 劇団アシデマトイ「りぴーと」
8/16〜18 劇団ほしねこ「嘘つきたちの八月」
8/25〜26 猟奇的ピンク「be myself」
9/1〜2 たまごのカンづめ!「良い月」
9/8〜9 劇団洒落乙。「レズ極道 ボイタチ組組長殺害事件」
9/29〜30 劇団絶対少女領域「神様がいないから」
10/19〜21 第2劇場「猿の衛星」
11/10〜11 劇団ルービックキューブ
11/17〜18 劇役ユニットサンリズム「emotion」
11/24〜25 Geek Factory「稲瀬遺失物相談所へようこそ〜落とし物相談所の七日間」
12/1〜2 うましかやろう「三つ巴で馬鹿やろう」
12/7〜9 スターダスト日本「聖夜物語」
12/15〜16 劇団ミネット「巡り唄」

全19回

【その他イベント企画】
4/6〜7 宇宙ビール「JOHN LENNON Live」
4/21〜22    役者でない「One Man」
毎月1回全7回 キイロイコボネ企画

劇団ミネット「巡り唄」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2018-12-31 21:58
今年7月に4人による一人芝居のオムニバス「夢幻泡影」を上演したミネット。
今回は総勢11人と大所帯。
旗揚げメンバーであるひとみと八重樫りんは今回出演していない。

神代の時代、村には天候を支配する龍神ギンが下男ツカイと共に沼に住んでいた。
そこに村で「忌み児」と迫害を受けている精薄のハクが迷い込む。
ギンはハクを気に入るのだが、人間と神の恋愛は許されない。
ある日、悲劇が村を襲う。

ギンとハクの因縁が、
々掌融代頃の山間部、巫女静を攫う山賊八郎の物語
⊂赦造辰櫃ぞ学校での陽太と雪音の物語
Lね茲僚子高での海と音々の物語
に影を落とす。
後の世代の彼らは因縁にどう立ち向かうのか?

「巡り唄」のタイトル通り、4つの輪廻を「唄」が繋ぐ、壮大なラブストーリー。

役者全員良かったが、中でも、精薄の村娘ハクを演じた七兎璃緒の危うい色気、
龍神ギンを演じたサカリの静かな威厳は特筆もの。

和テイストのメイク、衣装も素晴らしい。

巡り巡ったラストの1シーンにはホロリとした。
今年を締めくくるにふさわしい良い作品だった。

うましかやろうは以前ステージプラスのプロデュース公演にも参加した我が劇場お馴染みの団体で、
今回は3本のオムニバス公演。
3作品は主宰メンバー日高、牛島、高橋3人がそれぞれが作演した30分の短編。
各作品とも時間の割にボリュームがあり、長編でもいける気がした。
3本とも毛色の違う作品で楽しめた。共通するお題は「愛」。

 FAMILIAR」
遺品整理業を営んでる主人公の職場に、かつて離婚した時は子供だったが娘が13年ぶりに訪ねてくる。
娘曰く妻は男と別れた後、苦労の末亡くなったらしい。
どうも父親に遺品整理を頼みたいようだ。
主人公が過去妻子を捨てた理由にもう少し掘り下げたら、もっと感情移入できたかも。
ゴミ袋を使ったダンスのアイデア秀逸。

◆屮罐瓩療喘罅
喫茶トロイメライマスターには高校生の弟がいて、お隣さんの女子高生は弟の同級生。
彼女は過去、交通事故で両親を亡くしていて、店主は兄弟のように可愛がっている。
彼女は自分のせいで両親が死んでしまったのではないかと自責の念を抱いている。
ある雪の降りしきる日、トロイメライに記憶喪失の女が入店して来る。
クリスマス近いこの季節らしいロマンチックなお話。

「押忍!座敷わらし」
ある日、舞台俳優を目指す主人公が目を覚ますと、見知らぬ少女が部屋にいた。
彼女は自らを「座敷あらし」と言い、
自分は部屋を散らかすのと、部屋に置いておくと家主の願いが叶えることができる妖怪だと告げる。
彼女の姿は主人公にしか見えない。
劇団を巻き込んでの大ドタバタ劇。
元劇団員で除霊師の右参空崔(うさんくうさい)の登場シーンには爆笑した。

Geek Factoryは巨体の座長ポセイドン橋本氏が座長となって、
お笑い芸人たちが中心となって結成された、年齢層が幅広い社会人劇団。

前説では男女二人のお笑いコンビが、客席を温めるために、コールアンドレスの予行演習をしていた。 

稲瀬遺失物相談所には、モノと会話できる特殊能力を持っているが稲瀬功太と、
しっかり者の女助手がやりくりしているが、あまり繁盛していない。
住まい兼事務所の散乱した部屋には、
婦人傘、年代物の壺、ぬいぐるみ、財布が置いてあり、
それぞれマダム、作務衣着た巨体男性、中性的な男の子、挙動不審な男に擬人化されている。

ある日、馴染みの刑事が遺失物を手掛かりに、捜査の助言を求めて来たところから物語は動き出す。。

お笑い出身だけあって、ギャグ キャラクターのバランス配分が絶妙。

素っ頓狂な女助手が可愛かった。

劇役サンリズム「emotion」

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レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2018-11-27 21:58
小屋主をやっていると色々なトラブルを経験する。
今回は、女優一人芝居が2本の公演だったが(各幕の女優は別々)、
小屋入り直前に1本目の女優が、メンタルの理由で「声」が出せなくなった(囁く程度の音量に)。
医師の診断によると突発性精神性発話不全らしい。
公演前にその旨をSNSで発表し、カンパ制に切り替えることで、なんとか凌いだ。
両幕とも、ワンルームマンションの一室が舞台。

 嵬棉淑饋法
佳菜
女が自宅マンションの一室で、合コンを前日に控え、色々と妄想を膨らませている。
自己紹介の予行演習をやったり、サラダの取り分けの練習をやったり。
唐揚げにレモンかけたり 女子力アピールする。
いわゆる「ウザい女」だ。
結末はやはり。。
演出を当初のものから若干変更したらしく、小声でもそんなに違和感を感じなかった。

◆帚余曲折」江崎遥
バイト帰り、部屋へ帰って来るなり、いきなり酒をラッパ飲みする女。
どうも販売業をしながら舞台女優をやってるようだが、ストレスが溜まる毎日。
台所の床には酒瓶が並んでいる。
彼女の現実なのか、心象風景なのか。一つ一つの事象が連想ゲームのように連続する。
一人芝居のようにも舞踏のようにも見える。
梶井基次郎の「檸檬」がモチーフになっていて驚いた。

前編が「静」後編が「動」とバランスも取れていて構成が綺麗。
モノトーンの照明も効果的だった。
30分の短編が3本。
3本の作品の世界観は繋がっているようでもあり、繋がってないようでもある。
作演はそれぞれ別々の人間が行っている。。
公演タイトルである「秘密」が各短編の主題。

 屮好織鵐疋丱ぅ漾偲な」
転校生の少女が過疎の村の小学校にやって来る。ゴートゥ少年は彼女に一目惚れするが、
彼女は卒業式の日に転校することが決まってしまう。
少年が告白するためにとった手段とは。。
悪ガキ4人組の掛け合いがスタンドバイミーを彷彿させる。
題材的に短編で駆け足に描くのではなく、長編でじっくりと見せた方が良かったのではと思う。

◆峙方は誰?」
人気俳優が入院している。病室の前にはマネージャーが陣取りファンが勝手に入って来ないか見張ってる。
女性ファンは病室になんとかして入ろうとするが、どうも様子がおかしい。
二転三転する展開。
最初はコメディかと思って観ていたらラスト大変なことに。
短編ならではの切れ味で勝負する作品だった。面白かった。

「March of Kamata」
男が女をデートに誘う。
公園、喫茶店、MDショップ、フレンチ料理店。
それぞれの場所で変な人たちと出会う。
男は告白に成功するか。
公園で稽古中の売れない夫婦漫才師の雰囲気がそれっぽくて◎。

△妊泪諭璽献磧辞でMDショップ店長を演じたはんちゃんの存在感が半端なかった。

第2劇場「猿の衛星」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2018-11-5 21:38
第1回大阪フリンジフェスティバル参加作品。

第2劇場は大阪大学の演劇サークルで1977年創立された40年の歴史を持つ劇団である。
学生劇団なので、当然若者ばかりと思っていたら、
小屋入り時、座組に年配の人の比率がどうも多いので、「?」と思った。
あとで聞いてみると、同劇団には「卒業」という制度が無いらしく、
還暦超えの創立メンバーから現役学生まで各世代がバランスよく所属している。
関西演劇シーンの生き字引である創立者の安部茂氏指揮のもと、
OB、OGは裏方仕事、時には出演もする。

今回の公演では第1部をベテラン劇団員が、第2部を現役学生が作演。

第1部「猿の衛星」
売れない漫才師のアパートの一室。
「“笑い”を教えてほしい」という怪しい宇宙人(サスペンダーした小太り中年男性)がやってきて・・という話。
宇宙人との間で話が全くかみ合わない。
筒井康隆の「最悪の接触」を思わせる不条理コメディ。

第2部「さるの衛星」
宇宙に漂う観測宇宙船。
艦内は何故かワンルームの一室で、観測員のヨシコとともに、
擬人化されたCDプレーヤー、炊飯器、掃除機(若しくは人間の道具化)が同乗している。 
ヨシコは望遠鏡で過去自分が在学した1光年先の学校の教室を見ている。
バレー部員、生徒会長らが青春を謳歌している。
時おり支援物資供給隊員チナツが観測船を訪ねてくる。
どこまでが妄想でどこからが現実なのか。

ステージプラスの狭い空間をさらに狭くこしらえて、
どこか切ない、孤独を感じさせる一編だった。

学生劇団出身者は、卒業後もまた芝居をやりたくなって、
劇団を新たに結成するパターンが多いが、
題2劇場の場合、卒業がないだけに、やりたくなった時、いつでも戻れる場があるというのは良いことだ。
初期衝動的な鋭さはないが安定している。
希少な形態の劇団、これからも永く活動していって頂きたい。

大阪フリンジフェスティバル参加作品。

公演日の9/29〜30は記録的台風24号が大阪を直撃、公共交通機関がストップした為、
本来土日の3公演の予定だったのだが、土曜日の1公演のみとなった。
(急遽土曜日20時スタートのレイトショーを追加)。
しかし今回の公演を観れたお客さんは中々幸せ者だ。

チラシが少女チックで可愛いかったので少々甘く見ていたが、
意味深なタイトル通り、中々ダークでグロテスクな傑作だった。

実家が放火され母を亡くした少女がマッチを売りながら犯人を捜しているところから物語はスタートする。
マッチを売る少女、「炎」に魅せられた女、肉を食う女、3人の女を主軸に物語は進むのだが、
これといったストーリーがあるわけではない。

炎、肉、血、素数、人形劇、都市伝説、アンパンマン、3分間クッキング。。
分裂症的なイメージの奔流。

描かれた世界は現代社会のグロテスクなデフォルメのようであり、
社会システム崩壊後の未来の日本社会のようでもある。

デビッドリンチを思わせるシンメトリーな「赤い」舞台美術、
静かな狂気を感じさせる音響等スタッフワークも素晴らしかった。

焼け跡に佇むラストシーンは私が大好きな映画「青春の殺人者」を彷彿させ、ただただ美しかった。
劇団洒落乙。の公演は、ステージプラスでは2015年「ミスターペロペロマン」に続いて2回目。同作品はグロテスクな青春群像劇で印象深かった。

今回の洒落乙の公演は、レズ業界のマウント争いを、「仁義なき戦い」等ヤクザ映画に置き換えて描いた怪作だ。
主宰ぶった斬れのベティ自身レズビアンであることを公言している。

パンフレットによれば、レズビアンと一言で言っても、ジャンルによる反目があるようで、
外見上での、ボイ(ボーイッシュ)VSフェム(女性らしい)VS中性
SEX面でのタチ(抱く側)VSネコ(抱かれる側)の組み合わせによって構成されている。
タイトルの「ボイタチ」とはボーイッシュな抱く側のレズビアンである。

オープニング、木魚 鉢、読経が鳴り響く中「ボイタチ組」組長の葬式シーンで幕が開く。 
いきなり不穏で罰当たりなムードが漂う。
ボイタチ組組長はミナミ・堂山のレズバーの縄張り争いで「フェム組」に射殺されたらしい。
ボイ組組員たちは復讐を誓い、
ボイ・フェム・中性にメンヘラまで加わって四つ巴の血で血を洗う抗争が勃発する。。

時々意味不明なギャグや業界ネタ等があったりするが、
徹底したエンタメ志向、剛腕の演出力で全力疾走で駆け抜けた。

今回の公演で驚いたのが、全キャスト10人中過半数が「初舞台」だということだ。
普通なら危なっかしくてまずあり得ない。舞台が成立しない可能性がある。
しかし、彼らは舞台は素人でも、
レズビアンバー等で働く華のある、男でも惚れ惚れしそうなイケメン揃いである。 
演出は演技力より本物のレズビアンが持つ面白さリアルさを選択した。
だから芝居を観ているというより、ある種見世物を観ているような感覚に陥った。
現代のアングラとはこういうスタイルになるのかもしれない。18年版「薔薇の葬列」?

小劇場の客はほとんどがその関係者だとよく言われているが、
今回の公演、イケメンボイを観る為に、
着飾ったお水風のお姉さまや男装者等普段小劇場に足を運ばなそうな観客が大勢来館した。
「小劇場」という枠組みを打ち破っていくダイナミズムさを感じた。

最後に、座長ぶった斬れのベティの存在感は只事ではない。
LGBTの社会認知が進む中、彼女は自身でレズビアンを公言し、トーク力もあるので、
TV等色んなメディアに進出していくのではないかとマジに思う。

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