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ブログ - オセロット企画「こんな星抜け出すのさ」

オセロット企画「こんな星抜け出すのさ」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2017-12-1 22:36
舞台周囲には白い不敷布が敷かれ、繭のようにも、渦のようにも見える。
素材的に灯の当て方によって様々な貌をみせる。

中央にはちゃぶ台にティッシュ、ゴミ箱。 
抽象さと具象さが一見アンバランスだが、妙に美しい。

舞台構成はほぼ3幕、45分の短編。室内劇。
登場人物は若い夫婦と妻の浮気相手の3人のみ。ミニマム。
時代設定は現代のようでもあるし、まだ日本が貧しかった70年代のようでもある
(物語内では軍事大国ソ連が健在)。
室外では11月の季節外れの台風が来ているようで、終始雨音が聞こえる。

3人の俳優がそれぞれ良い。

新婚妻は、つわりが酷い様子。
唇のかさぶたを剥がすのが癖。
ゴミ箱には彼女が血を拭いたティッシュがいっぱい入っている。
(こういう皮膚感覚に訴えかける演出が随所に見受けられる) 

旦那は飯を食べる時に一口ごとに匂いを嗅ぎ、ぺちゃくちゃ音をたてて食べる
(実際に舞台で本物の親子丼を食べる)。
職場で浮いてるようだ。

妻は旦那に秘密の浮気相手がいる。
男は万引きの名人で革命国家樹立を夢見ている。
女とは元同士みたいな関係。

とぼけた笑える箇所はあるものの、終始緊張感がヒリヒリと漂う舞台。観客の想像力を刺激する。
物語は何も始まらないし、何の決着もない。
万人受けではないが、私は面白く観た。
 
特筆すべきは、難しい役を演じた浮気相手役の下原祐治。
昔風の男前でクセが強い、人情味薄そうでミステリアス、若い頃の中尾彬を見てるようだった。

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