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劇団阿呆船「椅子は椅子」

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レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2019-9-6 0:57
同劇団は大阪芸大の学生が中心となって結成された。今回が旗揚げ公演。

変わったタイトルだ。
舞台上になんの変哲もない椅子が一脚置いてあるのみ。

その椅子をめぐり、
椅子を自分の兄だと言い張る男、
自分の赤ちゃんだと言うクリーニング店の妻、
同級生だと言い張る男、
白熊用の椅子として南極で売ろうとする商人
が入り乱れ、言い争う。

登場人物全員サイコパス。
若いのに、汗臭い系の古典的な不条理劇、
唐十郎か、ベケットか。

前半のコメディタッチから一転、ラスト儀式風のエンディングが異様で面白かった。

捕まえようと思えば思うほど、するっと逃げていく不思議な感触を持った作品。
不登校を題材とした演劇とトークの企画である。
作・演出は元通信制高校の教員八柳まごいちによるもので、自らの経験をもとに創作。
キャストの中には現実に不登校で悩んでいる若者も出演している。
芝居の後にはフリースクールの教師を招いてのアフタートーク&意見交換会が設けられた。
観客も普段小劇場を観に来るような客層ではなく、関係者っぽい方たちが多かったように思えた。

不登校の女子中学生「春子」を主軸に、
嫌々学校に通う少女、学校外に生きがいを見つける少年ら「子供の世界」と
春子のシングルファーザー、春子の担任、適応指導教室の職員らの「大人の世界」とを
行き来する重層的な物語だ。

八柳は執筆にあたって、教師、支援団体、保護者会等へ緻密な取材を行ったらしく、
各々の立場や彼らの苦悩がよく描けていた。

「演劇」というより、「不登校がテーマの講座」の1コーナーとしての小芝居という趣。
不登校の現実を世に知らしめるツールとしての演劇。
フィクションではなくドキュメンタリー。リアル、生々しい。新しい手法だ。

タイトルは上演前に読まれた朗読劇とヒロインが書いてる小説の内容に関するもの。本編の伏線にもなっている。

蛍光灯を舞台両サイドに置いたり、スクリーン上のシルエットで感情を表現したり照明も面白い使い方をしていた。

やぎゅり場自体は今回の公演をもって解散するらしい。残念。
劇団無垢は
2016年12月にステージプラスで上演した「天空のハルモニア」に続いて、
今回も中性ヨーロッパを舞台にしたダークファンタジーものである。
タイトルにあるように、「ハーメルンの笛吹き男」がモチーフになっている。
この物語は実話でグリム童話にあるようなメルヘン調ではなく、おどろおどろしいものだったようだ。

ある農夫の納屋に「男」が逃げ込んだという噂を聞き、
「欠陥」を抱えるモノ達が集まってくる。
「男」はあるモノにとっては、「お尋ね者の笛吹き男であり」、
あるモノにとっては自分の欠けた身体を元通りにできると信じている。
彼らは西洋の妖怪(コボルト、ハーピー、狼音等)に模して登場する。
農夫は納屋には「芋しかない」と言って譲らない。

演劇とは難しいもので、脚本家の中で構想上のあるべきストーリーというものが存在するのだが、
途中、キャストが降板したり、尺の問題やらで、削る必要が出てき、
その箇所だけ削ると他の箇所で説明不足になって客に混乱を招かせる。伏線が回収できない。
最初から書き直すには、もう稽古が始まっていたりする、
ということが往々にして起こる。

隙間が多い芝居の場合、辻褄が合わないのは大して気にならないのだが、
今回の芝居のように情報量が多くロジカル劇の場合、
物語に出てこない人物が思わせぶりに会話に登場したりすると、
観ていて混乱する。
西洋の深い闇と狂気を孕んだ世界観自体面白そうだっただけに残念。

中世風の衣装とメイクは素晴らしい。
ドラマチックな照明も効果的。
ラストシーンは鮮烈だった。


劇団乱れ桜 企画公演 「Try Angle」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2019-7-1 23:52
劇団乱れ桜「TRY ANGLE」
A「蛍火」B「卒塔婆小町」C「コント集」各30分の短編が3本あり、
1公演でこのうち2本が上演される。全編観ようと思うと2公演の観劇が必要。

私はAはゲネで観て、落ステでC→Bの順で鑑賞。

A「蛍火」
昔仲間だった男女5人が10年ぶりに同窓会で田舎に帰って来る。
彼らは卒業前の夏祭りに皆で繰り出した。
1人の少女が男子に告白しようとするのだが、その裏では。。
ハートフルな一編。

B「卒塔婆小町」
三島由紀夫氏「近代能楽集」の中の1編。
古典能を三島氏が現代風(50年代の日本)に移し替えて書いたもの。
老婆と少女一人二役を演じた佐野あやめの演技が圧巻。

C「コント集」
「ダメな市議会選挙」「居酒屋の面接」「心の中の天使と悪魔」等
ネタ自体はよくあるものだが、アドリブをかなりぶっこんでたようでスリリング。
テンポが良く爆笑した。

C→Bの順で観た。
ゆるいコントのあと超シリアスな三島作品、下手にやったら悲惨なことになりかねなかったが、
お客さんは二幕目の開始と共に三島の劇世界に引き込まれていた。
トミタ翔吾の演出力、なかなか剛い。

Geek Factory「粗忽アパート」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2019-6-10 23:08
Geek Factoryは昨年11月ステージプラスにて「稲瀬遺失物相談所へようこそ!」を公演、今回は劇団として計9回目の公演となる。

タイトル名から、落語の「粗忽長屋」の現代版をやるのかなと思ったが、
コメディだけれど全然違う話だった。

ぼろいアパートに若い新婚カップルが入居してくるところから始まる。
序盤、アパートに居住する大家夫妻、若い夫婦、女子大生、謎の女子コンビニ店員(実は要人警護)、
近くに勤務する警官男女等々、一癖も二癖もある登場人物がテンポよく紹介をされていく。
彼らは全員粗忽者、おっちょこちょいだ。

ギャグの切れが前回に比べて数段良くなっていた。
10人の登場人物の動かし方、出し入れが実に巧み。
オチに感動話もってきてたけど、ギャグで突っ走ってくれた方が私的には好きかな。

男子警官やばすぎ。
女子警官は、前回に引き続き安定のキュートさ。

asobiiino「VARIETY」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2019-5-16 19:26
タイトル通りバラエティーに富んだ3短編のオムニバス公演。
´を万絵巻出身のながたゆうかが、
△鯑鰻狠張廛蹈妊紂璽機爾了害射橘陲作演を手がけた。

  屮譽鵐屮薀鵐箸猟子」

静止軌道エレベーターが実用化された未来、火星で勤務する父に会いに行くために、
それに搭乗する少女と、途中階でエレベーターに乗り込む人達との交感。
「銀河鉄道の夜」を感じさせるちょっと切ない話。

◆ 屮汽廛薀ぅ困気擦討れ」
誕生日のサプライズをするために当人の部屋で、
クラッカー片手に帰宅を待ち構えるパーティームードの友人達。
しかし当人は中々帰って来ず、友人や関係ない人までがどんどん増えて来る。
しまいには皆でカードゲームに興じ始める。。

 「23時、ベランダで」
ながたゆうかと山下裕矢の2人芝居。
漫画家を志望する男のマンションの隣室に住んでいたのは、そこそこ売れている官能女性小説家だった。
2人はベランダ越しに会話するうちに、顔も知らないまま意気投合し共作しようということになる。
毎晩23時ベランダの仕切り板越しにネタ打合せ、2人は売れっ子になっていくのだが。。


SF、コメディ、恋愛もの?とバラエティーに富んだプログラム。3作品とも高レベルで面白かった。
肩肘張らず楽に観れる感じ。心地よかった。
音響もセンス良く、ポップ。

めかとりーちゃ「モノ*クロ」

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レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2019-5-10 0:51
めかとりーちゃは長崎夢香と久咲カスミの女性2人が結成したプロジェクトで、
今回の公演が旗揚げだ。
30分の短編2本、両作品とも女性っぽいタッチで中々面白かった。

〈おれたちの小さな世界〉
作:長崎夢香
演出:辻まこと

持ち主が不在で、長期間開けていない冷蔵庫の中での
なすび(男)、キュウリ(男)、アスパラガス(女)、トマト(女)の
ドロドロの人間(野菜)関係が描かれる。
糸こんにゃくのくだりが可笑しかった。
客席の笑いとれてた◎。

〈sleeping cutie〉
作:久咲カスミ
演出:エダ一意

眠ると何年も目覚めない不老不死の少女と、彼女を見守る世話係の世代を超えた物語。
映画館のシーン、大気汚染下での夕陽のシーンが美しかった。
廃墟に佇むラストは切なく不思議と心に残る。

猟奇的ピンク「問う、今日」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2019-5-3 21:54
劇場主という職業柄、東京へ出ていく人間をいっぱい見てる。
「大阪では演劇が出来ない」と言い放って上京する人間は山ほど見た。
大阪で舞台俳優は出来ないのか?
よくそんなことを考え、なんとかできないものか悩む。
猟奇的ピンク、ステージプラスでは昨年の「be myself」に続いて2回目。
今回のタイトルはその名も「問う、今日」。
「東京」を今日、問う、刺激的なタイトルだ。 

今回の公演は短編の詰め合わせのような特殊なスタイルで、
´↓い「問う、今日」という鶴山聖作演の主軸短編の間に
ァ峙△辰討んなよ、絶対」Α峺電B」А岷悄▲▲襯丱ぅ函△修靴謄シャレ」が
挿入されるのが「東」版
─崛位襦廰「潮」「くるま」が挿入されるのが「京」版である。
私が観たのは千秋楽の「東」版である。

前回に引き続き、ポップでテンポの良い構成は流石だが、
今回は東京に対する愛憎や痛痒が感じられて、切なかった。
通底するテーマは重い。

講談社主宰の『ミスiD』出身のアイドル4人を使ったフライヤーを4種類製作したりと、
プロモーションも意欲的。

20年前東京から夢破れて帰ってきたこの私は 現在大阪の僻地あべので小劇場を営んでいる。
東京には絶対存在し得ない小演劇人の夢の聖地をここに造ること、
それが私のせめてものリベンジだ。

劇団大阪「人の気も知らないで」

カテゴリ : 
レビュー » 演劇
執筆 : 
イチロウ 2019-4-19 23:30
大阪の演劇ユニットiakuの横山拓也氏による既成台本なのだが、
この脚本がまず、素晴らしかった。

素舞台にテーブルが置いてあるだけ。
舞台照明は一切なし。作業灯のみ。
小さな広告代理店に勤める同僚のOLが待ち合わせの喫茶店に集まるところからスタート。
音は喫茶店のBGMが小さくなっているのみ。

彼女たち3人は結婚式の余興の打合せで集まっているのだが、
同僚が交通事故で大変な目にあっていたり、
花粉症が酷くて悩んでいたり、
若い男と付き合い始めたり、
それぞれがそれぞれの幸福や不幸を抱えている。
そういったことが台詞の端々から垣間見える。
彼女たち自身の問題だけでなく、そこにはいない台詞の中にしか出てこない人物まで、
生き生きと浮かび上がって来る。
最後にはそれまでの伏線が綺麗に回収されて幕がとじる。

台本の良さもあるのだが、3人のOLを演じた女優が実に上手かった。
シンプルな舞台で派手さはないが、スリリングでぐいぐい引き込まれた。
名人芸のよう。

冒頭、白い仮面を被った4人の男女、中央に1人白いワンピースを着た少女が佇んでいる。
過去、災害があり、たくさんの人々が亡くなった海浜公園が舞台。
やはり東日本大震災をイメージしてしまう。
仮面を被った男女はいずれも災害で亡くなった者たちで、現世に激しい未練をもっている。
彼らは一人ひとりモノローグを語っていく。。

役者は緩慢な動き、音響、照明もほとんどない。
マスクを被っているので表情も読めない。
演出はもちろん能を意識している。

1時間弱の抽象的な会話劇が終わり、
重い話で観客がみな沈んでる中、本編とは何の関係もない、
先程のワンピースの少女(Mifuyuという女性シンガー)のアイドル風ミニライブが始まる。 
うって変わって照明はカラフルに、客を盛り上げるスタイル。
ギャップが激しすぎて、疑問符がグルグル回ったので、終演後演出に尋ねたところ、
全て計算ずく、観客の予定調和を裏切りたかったとのこと。

思えば「浪漫ヲ謳エ」とう時代錯誤的なタイトルをつけたところから、
彼らの確信犯的な挑発は始まっていたのだ。

初日では終始つけていたマスクを落ステではラスト近く外す等と、
演出意図自体が変わって来るアドリブを入れたり、かなり挑戦的なことをする団体だ。
面白い。

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